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愛知県美術館へ行って来ました

雨降りの日は美術館へ行きたくなります

仕事の合間にふらりと立ち寄りました

 

近代の日本画

小林古径

洗濯場その1

洗濯場その2

 

"1922-23年 イタリアの古都シエナでのスケッチをもとに

帰国後制作されたもの"

 

だそうです

 

洗濯機がまだ無かった時代ですものね

 

日本でも

「井戸端会議」は

洗濯で女性が集まるおしゃべりが語源な事から

イタリアも日本もこうして「水」を囲んで

女性はコミュニケーションを取っていた事が

面白かったです

 

まだ写真も無かった時代

 

生活の一コマが描かれたこれらの絵画は

当時の様子を教えてくれる貴重なツールなので

とても心を奪われました

 

吸い込まれる様に近付いたのは

横山大観「飛泉」

流れ落ちる滝が柔らかくて優しくて

岩肌から湧き起こる岩清水の様にも

見えました

 

 

中村岳綾「芦(あし)に白鷺鵜飼図」

最近のマイブームは「芦」

パスカル『パンセ』の「人間は考える葦である」や

古事記を研究されている人の

「人間の始まりは草だったのでは?」

という見解が面白くて…

 

古事記のすごく最初の方に

ウマシアシカビヒコヂという神様が登場しますが

この中の「アシ」という表現から

この様な説もある様です

 

 

綺麗に装飾されていた屏風を見ながら

“これ迄の日本人の生活の中には、自分が本当に好きな道具を身の回りに置いて生きていく暮らしがあった。だからこそこの国では、道具がアートに為っていったのだと思う。”

という

先日読んだ「美意識の値段」の一節を思い返していました

 

 

小茂田青樹「漁村早春」

すすきでしょうか?

茅の屋根と同様 点描の様に細かく描かれていて

目が釘付けになりました

網を繕う漁師の姿もいいですね

自然・家・仕事が一体化している感じが…

 

 

没後40年 長谷川潔の銅版画

「瓶の秋草(ピエ・ド・シェーブル)

線香花火の様に緻密な美しさに感動しました

 

洋花が続き

美しいんだけど何かしっくり来ない中

日本らしさを見付けられた気がします

 

日本最古の物語と言われる『竹取物語』

仏訳された際に

挿画を担当されたそうです

 

木村定三コレクションの中国陶磁

明時代の壺や鉢、向付や合子など、茶人としての美意識のもとに収集されている。

青磁五管瓶

江戸時代に発行された「形物香合一覧」に掲載された

人気の器形だそうです

 

 

褐釉刻花唐草文四耳壺(かつゆうこっかからくさもんしじこ)

石湾窯の四耳壺は日本では茶葉を保管する茶壺として

珍重されていたとか

 

茶葉の収納容器だったのですね

 

 

20世紀の色彩

グスタフ・クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」

 

“クリムトが世間の批判にさらされていた時期に発表されたもので、騎士には、批判に臆することなく、自らの信条に従う理想的な芸術家像が重ね合わされている”

 

黄金という“超越的な存在を象徴する色彩”を用いながらも

人物がやや後傾しているのが印象的でした

果敢に攻めようとしつつも後ろ髪惹かれる想いや

怖さ・謙虚さなどがあったのでしょうか

 

かかとに刺さった矢の様なモノも

足かせの様で気になります

 

だからこそ

主人公が本当に強い人というより

「強く在りたい人」という風に見えました

 

ポール・ゴーギャン

「海岸の岩」

木の額装がかっこいいなぁと

絵画以上に見惚れてしまいました

 

アンリ・マティス

「待つ」

モネがアウトドア派だとしたらマティスはインドア派

と言われている様で

整理収納アドバイザーとしては

室内の絵画には非常に興味が湧きます

 

向かって左側の女性の顔を黒く塗る時の

心境はいかに…

私だったらすごく勇気が要るだろうなと

思ってしまいました

 

向かって右側の女性のスカート

模様が浮いた様な感じになっていて

レースの様な素材なのかなとか

 

部屋の中でもお洒落を楽しむ女性達が

誰を待っているのか?

 

気が付けば何分も

絵の前で立ち止まっていました

 

 

モノを観る眼を養って行きたいです